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ここでは鈴木かおりの銅版画にまつわる話や日々のあれこれを綴っていきます。公式Websiteはこちらです。www.kaorisuzuki.com


by kaorinote
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個展が無事終了いたしました。そして、今回の作品について。

おかげさまで今年の個展は無事終了いたしました。あと1カ月くらいは納品の準備をしています。多くの方に見て頂けて、沢山の糧をいただき、とても有り難く充実した2週間でした。お忙しい中、いつも応援してくださる方々、遠方より足を運んで下さった方々、声を掛けて下さった方々、友人達、誠にありがとうございました!!

Thank you so much for visiting and supporting you all, I could finish my solo exhibition for this year.
I had a great time with you and wonderful meeting you in the gallery while two weeks. I appreciate so much you all for this time and gotten opportunity. I'm going to go back my work after finish - preparing some of my works for my client. I hope we would meet us somewhere, thank you so much again!!
個展が無事終了いたしました。そして、今回の作品について。_b0199897_19571429.jpg
山から下る原石と水に映える森のイメージを、アクリルボックスの額に入れて納品。クリアなイメージが丁度合ってて、この組み合わせとても気に入りました。Fさん素敵なヒント有り難うございます。
個展が無事終了いたしました。そして、今回の作品について。_b0199897_19571658.jpg
コンセプトシートの横には基本のモノクロ作品。
個展が終わったらまたこの続きがしたい。
コンセプト内容は、また後日アップしたいと思います。
個展が無事終了いたしました。そして、今回の作品について。_b0199897_19571830.jpg
下の写真: 右上のオレンジはどうしても刷ってみたかった夕焼けが輝く瞬間。その後に見えてくる星空が透けて見えて、同時に川の流れと石のイメージが合わさり、この後見えてくる夜空を重ねたイメージで。そして川は絶え間なく流れ続け、足下の河原の石も空の石(星)もそれぞれの時間軸で個々の旅を続けるイメージを層にして表現したかった。これ以上明るくすると見えなくなり、濃くすると血の赤に近くなり、赤を使う時には特にそこに気を付けて混色していた。赤は人の持つイメージがとても強い色だから。命がそれぞれの歩みを続ける様子がテーマだから。

右下の赤紫は、夜の紺色が降りてくる直前の赤い空の色。川がより星空に近くなる瞬間。
基本全部モノクロで作り、情景に合わせた空と水の色を探し、何パターンも刷って失敗もして残った作品群を更に選ぶ。個展の時くらいは来廊された方が作品を生で見られる様に、今回もカバーを外して展示。
個展が無事終了いたしました。そして、今回の作品について。_b0199897_19571900.jpg
川と石の関係を表した今回の作品。空の色の移り変わりという時間軸も交差させて、時の流れを作品ごとに合わせた色に持っていくのが苦労したところ。
普段あまり使わない淡く明るい色を出来る限り単色扱いで一版で表現したかった。
真ん中の列はいつもの黒(いわゆる黒色は今回一切使っていません)で統一しました。
作品は左から右へ、右の壁の面まで行きそして始まりのイメージへ戻り、左端の作品に戻る。
続いていく緩やかな循環をギャラリー空間全体に作り出す様に配置。
右壁の4点は、左が夜空と昼間の石のイメージを重ねて。沢山の傷が夜空と重なる。
右は石が何処かからやって来てまた始まりへ。水の力で背中を押される様に、また動き始めるかもしれない様子を早朝の青のイメージと重ねて。この2点は2色展開。
個展が無事終了いたしました。そして、今回の作品について。_b0199897_19572167.jpg
個展が無事終了いたしました。そして、今回の作品について。_b0199897_20380173.jpg

個展が無事終了いたしました。そして、今回の作品について。_b0199897_20380255.jpg
下の写真は、版を石の形にフリーカットして腐食し、配置で遊んだ作品。
水の流れを敢えて描かずに石の版だけの配置で、石と水の動きをどう表現するか。水は外から流れて画面に入り、また外へ出て行く。急流、滝、浅瀬、小石はコトコトと転がり、弾かれ、少し大きな石は水を通して転がりまた佇む。敢えて四角という版の制約を無くして、白の余白を利用してイメージの広がりを試みる。
個展が無事終了いたしました。そして、今回の作品について。_b0199897_20385772.jpg
今回、特に重きを置いたのは、モチーフが画面の外に自由に出て行ける様に特に心掛けて描く事と、明るい色への挑戦。明るい色に挑戦してみて思ったのは、明るい色は、明度の幅を出すのは難しいけれど、面白い可能性を秘めてると気付けた事。色を使おうがいつもの習慣で白黒で考えて色を置き換えるので、色にしてもグレートーンの仕事の様に、明度の幅の少ない中でどう奥行きを持たせるか、製版の具合によって、淡いインクの透明度をどう変えるかなど、とても面白い発見があった事。今後はモノクロと色の両方の仕事をしていこうと思います。

そして、画面から内面世界に入っていき、そこから拡がっていく世界を作る細密描画の手法から、主題が外から自由に画面の中に入りまた出ていく動きのある表現へ。動きを出すには私自身の身体の動きが重要で、今までの細密画ではモチーフの動きが止まってしまう。それぞれの動きの早さ、緩む動き、弾かれる瞬間、環境によってどんどん変化する瞬間を、ストロークの速さとリンクさせる。
この作業ができる様になったのは理由があって、最近は上半身の痛みが軽くなってきたから。腕を上げても、大きな動作をしても、後頭部や脇や背中や肋の痛みがかなり軽くなってきたから。調子の悪い時は焦らず自分のペースで。大きな版の仕事は今のうちに出来るうちに。
描きたいテーマ、追求したい事は一切変わってないのだけど、描きたい沢山の一つ一つの命に寄り添って、どこかで必要とする誰かに届くまで、描き貯めていけるだけ、続けていこうと思います。

by kaorinote | 2017-09-27 19:50 | 個展